Feelings
原料について
昔ながらの「本物の魚粉」
日本には「削り節」、「昆布だし」、「椎茸だし」などさまざまな「だし」があり、
中でも「鰹節」は毎朝食する味噌汁にはじまり、 高級料亭などでも日常的に
使われているものです。
日本の「食文化」は古来より「だしの文化」といわれる由縁です。
私どもの「魚粉」は削り節を製造後、出荷選別する段階で出る規格外品を
主原料としています。
製品にはカツオ特有の天然タンパク質を多く含む「赤身」をふんだんに入れており、
主原料が削り節ですので圧搾などの脱脂は一切致しておりません。
一般に流通している飼料、農業用の「魚粉」は、「魚市場や水産加工場から副産物とし
て出る魚のアラ(内臓)、残滓などを収集し、煮熟後に圧搾機で煮汁を搾り、
残り粕を乾燥させて粉末状にする」といった短時間の工程で製造されています。
俗に「魚粉」、「魚かす」と言われるものです。
さらにしぼった煮汁は「ソリュブル」として販売されています。
また、原料においても一般に流通している魚粉は、魚種の特定が難しく
殆どが養殖魚や雑魚です。
養殖魚は幼魚の段階から抗生物質などの薬品を投与して育成されているのが現状です。
私どもの「魚粉」は、これらのものとは製造過程、製造目的が全く異なります。
そのため、天然魚油脂質には良質の「天然たんぱく質」や「うま味成分」が
流亡することなく、豊富な栄養源として余すことなく存在します。
この「魚粉」を与えて育てられた豚肉、鶏肉、鶏卵の卵では独特の食味と濃厚で
飽きのこない特徴のある食材に仕上がります。
また、田畑に施肥すれば収量の増収、品質の向上にもつながり「食味、甘味、旨味」に
対しても抜群の肥効を発揮します。なによりも袋を開けた瞬間に、「カツオの赤身が
光り輝き、鰹節の香ばしい香りが一面に広がる」
これが丹精込めて創りだす、私どもの「魚粉」の最大の特徴であり、昔ながらの
「本物魚粉の証」なのです。
魚粉の歴史
六百年昔から活用されている先人の知恵
魚粉の歴史は古くその昔、「金肥」とよばれていました。
文献によるとその出現時期は室町時代まで遡ります。
日本近海の漁民が余った魚を天日干しにし自分達の畑にまいたり、耕牛、庭先の鶏に
与えたのが始まりだそうです。
その後、時は流れ江戸中期の元禄時代「世はまさに天下太平」
この頃になると全国的な人口の増加に伴い「食料需要」も増え、町民の暮らしも
豊になり、そして生活には余裕が生まれました。
農村では食味の向上と肥効性に優れた「魚粉」に注目が集まり全国に普及した
ようです。
この時代から魚粉は「お金を出して買う肥料」という意味で「金肥」と呼ばれるように
なったそうです。
日本近海で捕れる「いわし」を元に製造し、電気のない時代ですから天日干しにする
しか乾燥方法がなく大量生産はかなり難しかったと推測されます。
現代における魚粉も高級タンパク質飼料、有機質肥料の代表格としてその効果は知られ
ているところですが、 時代の流れと共に工業製品化され昔ながらの魚粉は姿を消した
のが現状です。
考想
根底にあるのは「自然の摂理に沿うこと」
弊社はあえて時代に逆行し「魚粉」一本で勝負しております。
そのため配合飼料、配合肥料などは一切製造販売致しておりません。
また、配合メーカーや代理店への販売、卸なども一切致しておりません。
我々の業界は「混ぜてなんぼ」の世界と言われますが、私どもは「もの創りはひと
創り」だと信じ、その結果に至るまでの道のり「プロセス」を大事にしています。
一般流通品の飼料、肥料に記載されている原料を見ていただければ分かりますが、
ほとんどが「粕」で構成されています。
「粕」はどこまでいっても「しぼり粕」です。
沢山の原料が入っているので効率が良いと考えられる方や、「粕」でも大量にやれば
効き目があると言われる方がいらっしゃいますが、それは間違いです。
そして満足しているのは人間の気持ちだけではないでしょうか。
また、私どもは「有機質」「リサイクル」「循環型」など、学者先生がよく使う
「机上の空論」ともいうべき抽象的なお話は一切致しません。
日本には古来より「春、夏、秋、冬」といった世界に誇れる「四季」があります。
私どもは「自然界の摂理」になぞらえてお話しすることを流儀としております。
「人間が食べて安全な物は動物が食べても安心であり、田畑に施肥すれば作物は
美味しくなり、それを食べる人も元気になる。」
これは決して難しいことではありません。
なぜならば、これは「自然の摂理」だからです。
養豚、養鶏業の方々は、小さな頃から育てた豚や鶏のお肉を、食卓で残さず
「美味しい」と言って食べてもらうのが喜びだとおっしゃいます。
先祖代々受け継いできた田畑を大事に守り通す農家の方々からは「おかげ様で納得する
美味しいものができました」と喜ばれております。
私どもに課せられた使命は、日本の第一次産業を下支えする事であり、その責務は限り
なく重いと実感しております。
そして、何事にも誠実に責任を持って成していくことだと考えています。
皆様方の「笑顔」と「魚粉」に対するお褒めのお言葉をいただくことが、私どもの揺る
ぎない自信となり、毎日の原動力となっております。
この「魚粉」との出会いが、皆様方の「ひとつの可能性」になることを
固く信じています。
三拍子
生産者の方々に長く愛用されている肥料
弊社の「魚粉」の最大の強みは、他の肥料ではあまり期待することのできない「食味」
に関して抜群の肥効を発揮する部分です。
もちろん収量の増収、品質の向上においてもけして既存の肥料には引けをとりません。
そのため「契約栽培」、「有機農法」、「慣行栽培」などの第一線で活躍されている
生産者の方々に長く愛用されております。
「収量」、「品質」、「味」などの三拍子を兼ね備えた肥料は、そう簡単にあるもので
は御座いません。
「百考は一行にしかず」とも言いますが日本全国でも数少ない「削り節の規格外品」を
主原料とする「魚粉」の肥効をぜひ、作物と一緒に体感していただければ幸いです。
日々感謝
「人が食べても安全なものは、動物が食べても安心」
弊社は農林水産大臣確認の交付を受けています。
事前通知なしに行われる農水省の立入検査を定期的に受け、その際には製造した魚粉も
検査対象となり、 無作為に採取された上で成分分析にかけられます。
長年、畜産業をされている方々は、肉質に良質な霜降りをのせるには昔から「魚粉」の
天然魚油が一番だと言われます。
「うま味」の成分は特に天然魚油に多く含まれており、この魚粉を与えることによって
食味が濃厚になり飽きのこない特徴のある肉質に仕上がります。
また、鶏卵では独特のコクと旨味が出て嫌味のない食味に仕上がります。
生でも美味しく食べられます。
弊社の魚粉はカツオ特有の天然タンパク質を多く含む赤身をふんだんに入れており、
圧搾などの脱脂は一切致しておりません。
カツオの骨などにも「天然カルシウム」が存在し、流亡することなく
丸ごと残っています。
また、ご注文を受けてから製造に取り掛かりますので、酸化防腐剤、防虫剤、
調整剤などの添加物は一切使用せずに製造しています。
私たち人間が朝、昼、晩と食事をするように、毎回決まった量を
与えることが一番大事です。
ここ数年、畜産業界では様々な不幸な出来事が起こり、「処分」という冷たい一言で
解決がされてきました。
今でもこの「処分」という言葉には大変な憤りを感じています。
家畜は物ではありません。私たちはその命をいただいて生活を営むことが
できているのです。
私たちが食卓で「いただきます」と手を合わせ全部残さず食べることによって
その務めを果たすのです。
心より深く感謝しなければなりません。
そして、あのようなことは絶対に繰り返してはいけません。
人間と同じように毎日新鮮で美味しいものを食べれば、動物も自然と健康になり、
体も丈夫になります。
私どもは「人が食べても安全なものは、動物が食べても安心」ということを常に
念頭に置き、日々製品づくりをしております。
勇気農業
日本の農業に必要なことは「心の原点回帰」
現在の農業を取りまく環境は深刻な課題が山積しております。
「野菜食離れ」、「跡継ぎの減少」、「TPP問題」など数多くあります。
これらの課題は絶対に避けては通れません。
消費者、特に家計をあずかる「お母さん」は価格以前に「美味しい」ものしか
買いません。
また、「安心安全」を売りにされている方がいらっしゃいますが、今や「安心安全」は
当たり前です。
付加価値などをを求めてNPOなどの団体に認証を申請される方もいらっしゃいますが、
書類審査とそれに基ずく圃場の検査のみで 認定されているのが現状です。
「土壌検査」などは行われていません。
テレビ番組では「カッコイイ農業」、「儲かる農業」などと、ファッション感覚で金儲
けをするような趣旨の特集がされています。
しかし、「農業」は生半可は心構えではできません。
「気持ちの職業」です。
育てた作物の誕生から最後までを自分の目で見て、肌で感じ、
そして心で感動するのです。
工業製品を作る様な感覚で取り組んでも長続きはしません。
全国のほとんどの農村地域は経営規模に関わらず、作業負担を軽減するためにかなりの
機械化を進めてきました。
ですがこれ以上の設備投資は必要ありません。
三十年前に比べれば生産量、作業負担ともに格段に向上しているからです。
経営の合理化、作業の効率化などの「人間が楽することばかり」を追い求めるのでは
なく、いま一度、農業の原点に立ちかえり作物のことを 一番に考えるべきです。
何よりも生産者の使命は、小さな子供からお年寄りまで「美味しい」と言って、笑顔で
残さず全部食べてくれる食材を提供することなのです。
高い志をもち「美味しい」作物を作り続ければ、必ず消費者は応えてくれます。
国の農業政策には反しますが、大規模農業などは大国にまかせ、国土の狭い日本は独自
の路線を突き進むべきなのではないでしょうか。
昔からの「しがらみ」、「負債」で前向きに慣れない方もいらっしゃいますが、今こそ
「勇気」を出して一歩を踏み出すべきです。
そしてこれが本当の「勇気農業」だと思います。
「石の上にも三年」という世の例え。
結果ばかりを急ぐのではなく、遠回りに思えるかも知れませんが「食味、甘味、旨味」
を追求することこそが 農業再生への最短の道でありTPP対策だと確信しています。
今、日本の農業に必要なことは「心の原点回帰」です。
私どもは、再び日本の農業が光り輝く日が必ず来ると固く信じています。
根はグルメ
本当のことは作物の「根」が一番よく知っています
当たり前の話ですが「肥料」と「堆肥」は全くの別物です。
よく誤解されてる方がいらっしゃいますが、肥料は作物の栄養であり
堆肥は土作りです。
「堆肥作り」はカレーライスを作るようなもので、たくさんの資材を用いて作ります。
しかし、「粕」ばかりを混ぜ合わせていても良い堆肥はできません。
もちろん既存の堆肥のみでも作物の生命力で外見は成長しますが、肝心の中身の部分で
もある「食味、甘味、旨味」はまったく期待できません。
最近、よく耳にする「無肥料農法」もまったく同じです。
「作物」は人間が種を蒔き育てるものです。
野山で自然に育つ天然の植物ではありません。
また、「窒素、リン酸、カリ」などの成分数値は肥料設計をする際の一つの参考基準で
すが、それだけをよりどころにするのは間違いです。
「化学肥料」や「有機質肥料」と私どもの「魚粉」は、中身と製造過程そして
製造目的がまったく異なるからです。
私どもの「魚粉」は削り節を出荷選別する段階で出る規格外品を主原料としています。
私たちが毎朝食する「みそ汁」の「だし」は削り節がよく使われますが、「毎日みそ汁
を食して病気になった」という話は、知る限り聞いたことがありません。
頭で考え過ぎて、数値の計算ばかりしていては消費者を納得させる作物を栽培すること
は出来ません。
何故ならば、見ている方向が間違っているからです。
そして、本当のことは作物の「根」が一番よく知っています。
「根」はとても賢いグルメなのです。自分が必要な分だけを吸収し、美味しいものを
施せば正直に応えてくれます。
つまり美味しい果物や野菜になるということです。
花咲かじいさん
「鰹の力」で食味が向上し甘味と旨味もにじみ出る
幼い頃によく聞かされた「花咲かじいさん」という昔話があります。
「ここほれワンワン」で可愛がっていた子犬が非業の死を遂げ、その亡骸を埋葬した
場所に苗木を植えると、あっと言う間に大きな大木に成長したそうです。
そしてその木を燃やし、灰を枯れた木にふりかけると蕾をつけ綺麗な花が満開に咲いた
というくだりがあります。
この話は非常に興味深く、昔話の領域を超えて考えさせられます。
そもそも「骨」にはリン酸分がとても多く含まれており、作物が成長する上で絶対に
欠かせない「三大要素」の一つでもあります。
そのため昔から長い間、有機質肥料では動物の骨などがよく使われてきました。
しかし現在、BSE問題でリン酸肥料の代表格でもある「牛骨粉」には様々な規制が設け
られています。
そしてここ数年は牛骨粉の代用品として魚の骨に注目が集まっています。
私どもが「カツオ」の骨から製造する「魚骨粉」はこれらの物とは一線を画します。
また代用品などではなく、一つの目安として成分数値においてもまったく
引けを取りません。
何よりも「カツオ」は時速五十キロ以上の猛スピードで泳ぐことができ、眠っている時
すら泳ぎ続ける魚で年間の移動距離は二千キロ以上に及ぶと言います。
まさに海のアスリートであり高級天然魚です。
その運動量を影で支える骨と心臓の強さは計り知れません。
永年作物などの樹勢維持には必ずリン酸分が必要です。
特に高いリン酸分を要求される、果樹、園芸、茶などでは一度、樹勢が衰えると
回復させるのにかなりの時間と労力を費やします。
私どもの「魚骨粉」は田畑に施肥した場合でも一気に流亡するような事はありません。
「一雨、一雨」じっくりと時間をかけて根の「吸収根」にたどり着き
抜群の肥効を発揮します。
みかん、スイカなどの果樹では果実その物に香気が増し光沢が出てきます。
そして「鰹の力」で食味が向上し甘味と旨味もにじみ出てきます。
また、丈夫に育ち病気などに対する抵抗力も強くなり毎日食べても
飽きのこない作物が誕生します。


